MOGWAI──「真っ白いノイズ」と呼ばれる轟音が、30年鳴らし続けてきたもの
この記事でわかること
- 01.MOGWAIは、1995年にスコットランド・グラスゴーで結成された、ポストロックを代表する4人組バンド。
- 02.インストゥルメンタル主体の、静と動の振幅が激しい「轟音系ポストロック」の先駆者として知られている。
- 03.2025年の最新作『The Bad Fire』を経て、2026年のフジロックでは最終日のGREEN STAGEに出演。
フジロック2026、最終日のGREEN STAGEに出演していたMOGWAI。
MASSIVE ATTACKのヘッドライナーステージの前、まだ日が沈みきらない時間帯に、彼らは静かに、しかし確実に会場の空気を変えていた。
改めて、このバンドの歩みを振り返りたい。
グラスゴーで生まれたバンド
MOGWAIは1995年、スコットランド・グラスゴーで結成された。
1996年、自身が設立したレーベル「Rock Action Records」から、7インチシングル「Tuner/Lower」でデビュー。
数枚のシングルをリリースした後、ニューヨークのレーベルと北米契約を交わし、1997年にはそれまでのシングル曲を集めたコンピレーションアルバム『Ten Rapid』を発表している。
現在のメンバーは、スチュアート・ブレイスウェイト(Vo・Gt)、バリー・バーンズ(Gt・Syn・Vo・Pf)、ドミニク・アイチソン(Ba)、マーティン・ブロック(Dr)の4人。
バリー・バーンズは、日本のロックバンドART-SCHOOLのアルバム『PARADISE LOST』にも参加するなど、日本のシーンとの縁も持つ。
デビューアルバム『Mogwai Young Team』
1997年、MOGWAIはデビューアルバム『Mogwai Young Team』を発表する。
静と動の振幅が激しい、ダイナミックなハードコアと美しいメロディが同居するこの作品は、後に「轟音系ポストロック」と呼ばれるスタイルの原点として語り継がれることになった。
ボーカルを前面に出さず、ギターのループやビルドアップ、音の起伏そのもので感情を描き出す手法は、このデビュー作からすでに確立されていた。
以降、『Come on Die Young』(1999年)、『Rock Action』(2001年)、『Happy Songs for Happy People』(2003年)、『Mr. Beast』(2006年)と、ほぼ2〜3年おきに作品を発表し続けている。
「真っ白いノイズ」と称されるライブ
MOGWAIのライブパフォーマンスは、高い演奏力に定評があり、「真っ白いノイズ」と形容される轟音は唯一無比だと評されてきた。
静かなパートから一気に音圧が増していく展開は、レコーディング音源以上にライブでこそ体感できる迫力を持つ。
フジロックや単独公演を含め、日本にも度々来日し、伝説的と言われるパフォーマンスを残してきた。
結成25年を超えてなお進化を続ける
2021年発表の10thアルバム『As The Love Continues』は、全英チャートで1位を獲得し、マーキュリー・プライズにもノミネート。
スコティッシュ・アルバム・オブ・ザ・イヤーも受賞するなど、バンドとして大きな成功を収めた。
そして2025年の最新作『The Bad Fire』は全英チャート5位を記録し、その後行われた日本での単独公演も即完売となっている。
2010年以降は映画やドラマのサウンドトラックを手がけることも増え、インストゥルメンタルという表現形式そのものの可能性を広げ続けている。
結成から30年が経った今もなお、彼らの音楽は色褪せていない。
フジロック2026での一幕
2026年のフジロック最終日、MASSIVE ATTACKのヘッドライナーステージを控えたGREEN STAGEで、MOGWAIは静かな緊張感を持ったステージを見せた。
ポストロックというジャンルを牽引してきたバンドの、揺るぎない存在感を改めて感じさせる時間だった。