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ラモーンズ──14曲29分のデビュー作から50年、パンクの形を決めた4人

AKIRA

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2026.10.06 Update

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引用元:ワーナーミュージック

この記事でわかること

  • 01.2026年は、ラモーンズのデビュー・アルバム『ラモーンズの激情』発売から50年。年間を通した記念企画が進行している。
  • 02.7日間・約6,400ドルで録音された14曲29分のデビュー作は、当初ほとんど売れなかったが、英国のパンク・シーンに大きな刺激を与え、のちにローリング・ストーン誌が史上最高のデビュー・アルバムに選ぶまでになった。
  • 03.日本とも縁が深く、1980年の初来日から1995年の最後のツアーまで、7度にわたって来日している。

2026年4月23日、ラモーンズのデビュー・アルバムが発売から50周年を迎えた。
これにあわせて、年間を通した記念企画が発表されている。
年内にレーベルのRhinoから、物理盤のリイシューなどが発表される予定で、7月4日にはラスベガスのパンク・ロック・ミュージアムで公式展示が始まると案内された。
公式YouTubeチャンネルでは、リマスターされたミュージック・ビデオも順次公開されている。

「名前は知っているが、聴いたことはあまりない」という人も多いバンドだろう。
この記事では、ラモーンズがどんなバンドで、なぜ「パンクの原型」と呼ばれるのかを、結成から解散、そして日本との関わりまで順を追って整理する。

クイーンズの4人、全員が「ラモーン」になった

ラモーンズが結成されたのは1974年、ニューヨーク・クイーンズ区のフォレスト・ヒルズ。
オリジナル・メンバーは、ボーカルのジョーイ(本名Jeffrey Hyman)、ギターのジョニー(John Cummings)、ベースのディー・ディー(Douglas Colvin)、ドラムのトミー(Thomas Erdelyi)の4人だ。

全員が「ラモーン」を名乗っているが、血縁関係はない。名前の由来は、ポール・マッカートニーがビートルズの初期に使っていた芸名「Paul Ramon」にあるとされる。最初にこの姓を名乗ったディー・ディーが、他のメンバーにも同じ姓を名乗ることを提案し、バンド名にもなった。

最初の観客を前にした演奏は1974年3月30日、パフォーマンス・スタジオズでのライブ。
同年8月16日にはニューヨークのライブハウスCBGBに初出演し、年末までに74回演奏したとされる。
パンクの聖地として知られるCBGBは、ラモーンズが育った場所でもある。

7日間で録られたデビュー作

1975年末にサイアー・レコードと契約したラモーンズは、1976年初頭にデビュー・アルバム『ラモーンズの激情』(原題『Ramones』)を録音する。プロデューサーはクレイグ・レオン。
レコーディングはわずか7日間(楽器に3日、ボーカルに4日)、費用は約6,400ドルだった。
完成したのは14曲、収録時間は29分04秒。アルバムは1976年4月23日に発売された。
先行シングルは、同年2月に出た「Blitzkrieg Bop」だ。

ただ、商業的な成功とは程遠かった。全米アルバムチャート(Billboard 200)の最高位は111位。
発売から1年間の売上は約6,000枚とされる。
その後も売れ続け、全米レコード協会からゴールド認定(50万枚)を受けたのは、発売から38年後の2014年のことだった。
一方で、ローリング・ストーン誌は2022年、このアルバムを「史上最高のデビュー・アルバム」第1位に選んでいる。

1976年7月4日、ロンドンの衝撃

デビュー作の発売から約2か月半後、ラモーンズはイギリスに渡る。1976年7月4日にロンドンのラウンドハウスで行ったライブは、当時台頭しつつあった英国のパンク・シーンに大きな刺激を与えたとされる。本国アメリカでは苦戦しながら、むしろ海外で評価を高めていったバンドだった。

3コード、2分以内、革ジャンにジーンズ

ラモーンズの音楽の特徴は、シンプルな3コードを高速で演奏し、曲の多くが2分に満たないことにある。
ステージでは、破れたジーンズに黒の革ジャンという出で立ちで、このスタイルもパンクの象徴として広まった。

その影響はアメリカ国内にも及ぶ。ロックの殿堂のラモーンズの紹介ページでは、エディ・ヴェダーが、シアトルの音楽仲間にとってラモーンズはビートルズのような存在だったと語ったことが紹介されている。

『Rocket to Russia』から『End of the Century』まで

1977年11月発売の3作目『Rocket to Russia』は、全米49位。
シングル「Sheena Is a Punk Rocker」(同年5月)や「Rockaway Beach」(同年11月)を収録し、予算も前2作より大きく、制作費は2万5,000〜3万ドルほどだった。
ラモーンズのアルバムとして初めて、カバー曲も2曲収められている。

1978年にはドラムのトミーが、売上の伸び悩みとツアーのストレスを理由にバンドを離れた。
後任はマーキー・ラモーン。
トミーはその後もプロデューサーとして関わり、同年9月発売の『Road to Ruin』を手がけた。
このアルバムには、バンドを代表する1曲となる「I Wanna Be Sedated」が入っている。
ジョーイが、やけどで入院していた際に書いた曲だと伝えられている。
全米103位、全英32位。
また、収録曲「Bad Brain」は、ハードコア・バンドのバッド・ブレインズの名前の由来になったとされる。

1979年には、ロジャー・コーマンが企画した青春映画『ロックン・ロール・ハイスクール』に、ラモーンズ自身の役で出演した。
コーマンが最初に候補に挙げていたのはチープ・トリックやトッド・ラングレンだったが、スケジュールの都合がつかず、ラモーンズに話が回ってきたという。
ロサンゼルスでの撮影中、メンバーは滞在先のモーテルで、次のアルバム『End of the Century』(1980年)の曲を書いた。プロデューサーはフィル・スペクター。チャートは全米44位、全英14位で、イギリスのほうが高い順位だった。

この間にメンバーも入れ替わっている。
ドラムはマーキー(1978〜1983年、1987〜1996年)、リッチー(1983〜1987年)と交代し、ベースは1989年からC.J.ラモーンが加入して、解散まで務めた。

日本とラモーンズ──1980年の初来日から1995年の最後のツアーまで

ラモーンズは日本とも深い縁を持つバンドだ。
初来日は1980年。
6月27日から29日まで、東京・渋谷パルコ内の西武劇場でシーナ&ザ・ロケッツとの共演が行われ、その後、名古屋(7月1日)、京都(7月2日)、大阪(7月3日)、福岡(7月4日)を回った。
この来日では、NHKの音楽番組『レッツゴーヤング』に海外アーティストとして初めて出演したと、国内のファンクラブのアーカイブに記録されている。
ツアーにはローディーが同行せず、大阪の会場では、メンバー自身が楽器を階段で4階分運び上げたという。

共演したシーナ&ザ・ロケッツは、ラモーンズのサウンドに惚れ込むあまり、同じアンプを買い求めるほどだったと伝えられている。

その後も、1988年、1990年、1991年、1993年、1994年と来日を重ね、最後のツアーとなったのが1995年。
10月16日から11月2日にかけて東京、川崎、福岡、松本、札幌、名古屋、大阪の7都市で全12公演を行った。
できるだけ多くの場所を訪れたいというメンバーの希望から、北海道や福岡、長野県の松本にも足を運んでいる。

1996年8月6日、最後のステージ

ラモーンズは1996年に解散した。
最後のライブは8月6日、ロサンゼルスのザ・パレスで行われ、元メンバーのディー・ディー、モーターヘッドのレミー、パール・ジャムのエディ・ヴェダー、ランシドのティム・アームストロングとラーズ・フレデリクセン、サウンドガーデンのクリス・コーネルとベン・シェパードがゲストとして登場した。
この模様は、1997年11月に『We’re Outta Here!』として発売されている。

2002年3月18日にはロックの殿堂入りを果たし、2011年にはグラミー賞の特別功労賞(Lifetime Achievement Award)を受けた。
4人のオリジナル・メンバーは、ジョーイが2001年4月15日、ディー・ディーが2002年6月5日、ジョニーが2004年9月15日、トミーが2014年7月11日に亡くなっている。

最初の1枚はどれか

入口としては、まずデビュー作『ラモーンズの激情』を、29分かけて通して聴いてみるのがいい。
1枚が短いので、気軽に最後まで聴ける。
もう1枚選ぶなら、「Sheena Is a Punk Rocker」と「Rockaway Beach」を収録した『Rocket to Russia』だ。
さらに「I Wanna Be Sedated」を聴きたければ『Road to Ruin』がある。

50周年にあたる今年は、デビュー作の2016年モノ・ミックス(クレイグ・レオン制作)を収録した1LPが、レコード・ストア・デイの「ROCKtober」企画の一環として10月23日に発売される予定だと、複数のレコード店が案内している。
1970年代半ばのニューヨークで、7日間、約6,400ドルで作られた1枚が、今も新しい形で出続けている。

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