グリーン・デイとは何者か──ベイエリアの3人組が『Dookie』から30年、スーパーボウルの舞台に立つまで
この記事でわかること
- 01.グリーン・デイは1987年、カリフォルニア州ロデオで結成された3人組。1994年の『Dookie』で世界的なバンドとなった。
- 02.2004年の『American Idiot』で全米1位を獲得し、グラミー賞も受賞。2015年にはロックの殿堂入りを果たした。
- 03.日本には2025年2月、単独ツアーとしては約15年ぶりに来日。2026年2月にはスーパーボウルのオープニングも務めた。
グリーン・デイ(Green Day)は、ビリー・ジョー・アームストロング(ボーカル、ギター)、マイク・ダーント(ベース)、トレ・クール(ドラム)の3人からなるアメリカのロック・バンドだ。
結成は1987年。『Dookie』(1994年)と『American Idiot』(2004年)という2枚の代表作で、パンクをスタジアム級の音楽にまで押し上げた。
2025年2月には、単独ツアーとして約15年ぶりに来日公演を行い、2026年2月にはスーパーボウルのオープニング・パフォーマンスにも登場している。
名前は知っていても、キャリアの全体像はよく分からないという人に向けて、結成から現在までを順を追って整理する。
ロデオの2人が始めたバンド
グリーン・デイの原点は、1987年にカリフォルニア州ロデオ(サンフランシスコ近郊のベイエリア)でビリー・ジョーとマイクが始めたバンドにある。
当初の名前はスウィート・チルドレン。1989年にグリーン・デイへ改名した。
ドラムは初め別のメンバーが担当していたが、1990年にトレ・クールが加入し、現在の3人の体制になった。
初期の2枚のアルバム、『39/Smooth』(1990年)と『Kerplunk』(1991年)は、インディー・レーベルのルックアウト・レコーズから発表されている。ライブハウスやDIYの現場で鍛えられた時期で、のちの大ブレイクの土台となった。
『Dookie』と1994年
メジャー・レーベルのリプリーズ・レコードに移って発表した3作目が、1994年2月1日発売の『Dookie』だ。
プロデューサーはロブ・カヴァーロ。
1993年の秋にベイエリアのファンタジー・スタジオなどで録音された。
「Longview」「Basket Case」「When I Come Around」の3曲が、米国のモダン・ロック・チャートで1位となっている。
アルバムは全米アルバムチャート(Billboard 200)で最高2位を記録し、世界で2,000万枚を超えるとされる。
この年、グリーン・デイを象徴する出来事がもう一つある。
1994年8月14日のウッドストック’94だ。
観客を巻き込んだ泥の投げ合いが起き、その様子が広く放送されて、アルバムの売上をさらに押し上げた。
『Dookie』は翌1995年のグラミー賞で最優秀オルタナティブ・アルバムを受賞し、2024年には米国議会図書館の国立録音登録簿にも選ばれている。
聴きどころは、短い曲の中に詰め込まれた、親しみやすいメロディと速いテンポだ。
パンクの勢いを持ちながら、ポップなフックがはっきりしているので、パンクを初めて聴く人にも入りやすい。
『Insomniac』から『Warning』へ
大ヒットの後、バンドは1995年10月10日に『Insomniac』、1997年10月に『Nimrod』、2000年に『Warning』と、ほぼ2〜3年おきにアルバムを発表した。
『Nimrod』はBillboard 200で10位に入り、『Warning』はフォーク・パンクの色合いが強まった作品として知られる。同じことを繰り返さず、少しずつ音楽の幅を広げていった時期にあたる。
『American Idiot』──再びの頂点
2004年9月21日に発売された『American Idiot』は、バンドにとって2度目の頂点となった。
初登場で全米1位を獲得し、初週の売上は26万7,000枚。世界では2,000万枚を超えるとされる。
「Boulevard of Broken Dreams」「Holiday」「Wake Me Up When September Ends」「Jesus of Suburbia」など、多くのシングルが生まれた。
アルバムは2005年のグラミー賞で最優秀ロック・アルバムを受賞。
「Boulevard of Broken Dreams」は2006年のグラミー賞で最優秀レコードを獲得した。
ひとつの主人公の物語として組み立てられたロック・オペラ風の構成も話題となり、のちにミュージカル化されている。
2009年9月にバークレー・レパートリー・シアターで上演され、2010年4月にはブロードウェイで開幕。トニー賞では舞台美術と照明の2部門で受賞した。
2009年以降──止まらないリリース
その後も活動は途切れていない。
2009年5月15日に『21st Century Breakdown』、2012年には『¡Uno!』『¡Dos!』『¡Tré!』の3部作を9月21日、11月9日、12月7日に続けて発表した。
2016年10月7日の『Revolution Radio』は、バンドにとって3作目の全米1位デビューとなった。
そして2020年2月7日の『Father of All Motherfuckers』、2024年1月19日の『Saviors』へと続く。
殿堂入り、ハリウッド、スーパーボウル
2015年4月18日、グリーン・デイはロックの殿堂入りを果たした。
対象となった最初の年での選出だった。
2025年5月1日にはハリウッド・ウォーク・オブ・フェームに星が刻まれている。
さらに2026年2月8日には、地元ベイエリアで開催されたスーパーボウルLXのオープニング・パフォーマンスを務めた。結成から約40年を経て、アメリカ最大のスポーツ・イベントの舞台に立ったことになる。
日本とグリーン・デイ
日本でのグリーン・デイは、長く「来日が待たれるバンド」だった。
報道によれば、直近の日本でのライブは2012年8月のSUMMER SONIC 2012で、単独ツアーとなると約15年ぶりだった。
また、2020年の『Father of All Motherfuckers』のツアーでは2021年3月の来日が予定されていたが、延期のうえ中止が発表されている。
その待望のジャパン・ツアーが実現したのが、2025年2月だ。日程は次の通り。
- 2月21日(金)大阪城ホール
- 2月23日(日)ポートメッセなごや
- 2月25日(火)・26日(水)Kアリーナ横浜
全4公演、主催はクリエイティブマンプロダクション。
サポート・アクトとして、大阪公演には炙りなタウン、名古屋と横浜の公演におとぼけビ〜バ〜が出演した。
横浜公演の報道では、チケットが早い段階で完売し、新作『Saviors』の楽曲に加えて、30周年を迎えた『Dookie』、20周年の『American Idiot』からの曲を多く取り入れたセットリストだったと伝えられている。
最初の1枚はどれか
入口としては、まず『Dookie』を通して聴いてみるのがいい。
短く、メロディが分かりやすく、グリーン・デイの原点がそのまま詰まっている。
次に聴くなら『American Idiot』だ。
物語のように1枚を通して流れる構成を味わえる。最近の姿を知りたければ、『Saviors』がある。
今秋は、ビリー・ジョーが参加するサイド・プロジェクト、ピンヘッド・ガンパウダーが北米ツアーを行っている。10月7日のミネアポリスから始まり、11月にも西海岸で公演が予定されている。
グリーン・デイとは別の顔だが、こうした動きを追っていくのも、このバンドの聴き方の一つだろう。