L’Arc-en-Ciel──結成35年、初出演のサマソニでヘッドライナーを務める理由
この記事でわかること
- 01.L'Arc-en-Cielは1991年、tetsuyaを中心に大阪で結成された、日本を代表するロックバンド。
- 02.1997年の活動休止と復活、4分でチケット完売した東京ドーム公演など、数々の伝説的な出来事を経てきた。
- 03.結成35周年を迎えた2026年、サマーソニックに初出演し、大阪・東京両会場でヘッドライナーを務める。
「サマソニにラルクが出る」というニュースは、2026年2月、多くの音楽ファンを驚かせた。
フェス出演のイメージがほとんどなかったバンドが、しかも初出演でいきなりヘッドライナーを務める。
そんな異例の出来事の背景には、結成35周年という節目と、バンド自身の決断があった。
大阪で結成された、虹の名を持つバンド
L’Arc-en-Cielは1991年2月、ベーシストのtetsuyaを中心に大阪で結成された。
バンド名はフランス語で「虹」を意味する。
結成当初のメンバーは3度にわたる脱退・加入を経験しているが、興味深いのは、新しく加入したメンバーがいずれもtetsuyaの知人か、あるいは奇しくもバンド結成の流れの中に居合わせていた人物だったという点だ。
1992年に加入したギタリストのkenは、かつてtetsuyaとバンドを組んでいた幼馴染で、客としてL’Arc-en-Cielのライブを観たこともあったという。
1993年に加入したドラムのsakuraは、tetsuyaがアルバイトしていたレコード店に出入りしていたロックバンドDEAD ENDのローディーを務めていた人物だった。
大阪のシーンという狭いコミュニティの中で、人と人が予期せぬ形でつながり、バンドの形が少しずつ定まっていった。
4分で完売した東京ドーム
1994年7月、ビデオシングル「眠りによせて」でメジャーデビュー。
1995年には初の日本武道館公演を行い、同年発売のアルバム『True』が初のアルバムランキング1位、そしてミリオンセラーを記録した。
破竹の勢いで音楽シーンを駆け上がっていたL’Arc-en-Cielだったが、1997年、ドラムのsakuraの脱退にともない、全ての活動を休止する。
しかし同年10月、復活シングル「虹」をリリース。
当時の自己最高初動・最高売上を記録する大ヒットとなった。
そして同年末、自身初となる東京ドームでの復活コンサートのチケットは、当時の最速記録となるわずか4分で完売。
新ドラマーとして加わったyukihiro(元ZI:KILL、DIE IN CRIES)を迎えた新体制は、まさに満を持しての船出だった。
翌1998年には、シングル「HONEY」「花葬」「浸食〜lose control〜」の史上初となる3枚同時リリースを敢行し、そのうち2枚がミリオンセラーを達成。
tetsuyaは後にこの怒涛のリリースについて、「1回でも多くファンの前に出て新しい4人の印象を植え付けたかった」と振り返っている。
2008年には初のフランス公演も成功させ、世代を問わず日本のロックシーンの頂点を走り続けてきた。
フェスとは縁遠かったバンドが選んだ、35周年の決断
L’Arc-en-Cielは、これまで大型ロックフェスへの出演がほとんどないバンドとして知られてきた。
tetsuya自身、Rolling Stone Japanのインタビューで、過去の数少ない出演例として1994年のスプリットツアー「L.S.B.」、2004年の「THE ROCK ODYSSEY」、2007年の韓国「インチョン・ペンタポート・ロック・フェスティバル」の3つを挙げるにとどまっている。
そんなバンドが、2026年、結成35周年という節目でサマーソニック初出演を決めた理由について、tetsuyaは同インタビューでこう語っている。
「35周年というタイミングですし、ラルクをまだ知らない人たちにも知ってもらえるいい機会になるので、オファーをいただけるなら出たほうがいいなと思いました」。
長く歴史のあるフェスへの敬意と、新しい観客との出会いを求める姿勢がにじむ言葉だ。
2年ぶりの新曲、そして異例のセットリスト事前公開
サマーソニック出演に向けて、L’Arc-en-Cielは着々と話題を積み重ねている。
2026年8月3日には、約2年ぶりとなる新曲「総天然色」を使用したサマーソニックとのコラボレーション映像を公開。
さらに8月11日には、公式SNSで「ネタバレ注意」と前置きした上で、当日披露するセットリストをSpotifyのプレイリストとして事前公開するという、異例の試みも行った。
「予習してLIVEに参戦したい方はぜひチェック」「公演当日まで演奏曲を楽しみにとっておきたい方は、LIVE終演後の余韻とともにお楽しみください」という呼びかけからは、初めてサマソニに来る観客と、長年のファンの両方を大切にしようとする姿勢がうかがえる。
ご覧になりたい方はこちらから→https://open.spotify.com/playlist/357rqbF3csqw8btYrKxIsG
サマーソニック2026では、8月14日に大阪会場、8月16日に東京会場でそれぞれヘッドライナーを務める。
10月には「35th L’Anniversary TOUR」として、東京・国立代々木競技場第一体育館を皮切りに全国7都市16公演も控えている。
35年という時間をかけて積み上げてきたバンドが、初めてのサマソニでどんな景色を見せてくれるのか。
今年の夏、大きな注目を集めるステージの一つになりそうだ。