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Gorillaz──「退屈なポップスター」への反抗から生まれた、架空の4人組バンド

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2026.09.18 Update

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引用元:Gorillaz 公式サイト

この記事でわかること

  • 01.Gorillazは1998年、Blurのデーモン・アルバーンと漫画家ジェイミー・ヒューレットによって作られたバーチャルバンドである。
  • 02.2-D、マードック・ニコルズ、ラッセル・ホッブス、ヌードルという4人の架空のキャラクターに、それぞれ緻密な設定が与えられている。
  • 03.『Plastic Beach』『Song Machine』『Cracker Island』と作品を重ね、ギネス世界記録に「最も成功した架空のバンド」として認定されている。

ロックバンドのフロントマンと、漫画家。
この2人が、テレビの前で「ポップスターって、みんな退屈だよね」とぼやき合ったところから、あるバーチャルバンドが生まれた。Gorillazだ。

ギタリストが繋いだ、漫画家との出会い

Gorillazの生みの親であるデーモン・アルバーンとジェイミー・ヒューレットが出会ったのは1990年のこと。
Blurのギタリスト、グラハム・コクソンがヒューレットの漫画作品のファンだったことから、ヒューレットにBlurへの取材を依頼したのがきっかけだった。
このインタビューは、ヒューレットが手がける漫画『タンク・ガール』の掲載誌でもある「デッドライン」誌に掲載されている。
ヒューレットは当初アルバーンに良い印象を持っておらず、その後もヒューレットがコクソンの元恋人と交際を始めたことなどから、2人の関係はぎくしゃくしたものだったという。

それでも1997年、アルバーンとヒューレットはロンドン・ウェストボーン・グローブのフラットをシェアするようになる。
ちょうどこの頃、アルバーンはElasticaのジャスティーン・フリッシュマンとの破局を経験しており、失意の中でヒューレットとの共同生活を始めていた。

「退屈なポップスター」への反抗心

Gorillazのアイデアが生まれたのは、2人が一緒にMTVを眺めていたときだったという。
ヒューレットは2020年、音楽誌『Q』の取材に対し、当時の様子をこう振り返っている。
テレビの前で何時間も過ごしながら、どうして流れてくるものすべてがつまらないのだろうと話し合っていた、と。
アルバーンはBlurのフロントマンであることに疲れを感じており、ヒューレットもまた、インタビューに応じるポップグループの多くがいかに退屈かということに呆れていた。
「架空のバンドを作ってしまおう」。そんな発想から、Gorillazは生まれた。

1998年に結成されたGorillazは、アルバーンが音楽を、ヒューレットがキャラクターデザインを担当する分業制で制作が進められた。
誕生したのは、2-D、マードック・ニコルズ、ラッセル・ホッブス、ヌードルという4人の架空のキャラクターからなるバーチャルバンドだった。

デビューアルバムが本家Blurを超えた日

2000年に最初のEPをリリースした後、2001年3月、セルフタイトルのデビューアルバム『Gorillaz』を発表。
このアルバムは700万枚以上を売り上げ、アルバーンの本業であるBlurの成功をも上回る結果となった。
ヒップホップ、ダブ・レゲエ、エレクトロ、ポップなど、アルバムごとにジャンルを横断する音楽性は、結成当初から一貫したGorillazの持ち味となっている。
2005年には2ndアルバム『Demon Days』を発表。
プロデュースにはデンジャー・マウス(ザ・ビートルズとJAY-Zのマッシュアップ作品『The Grey Album』で知られる)を迎え、De La Soul、シャーン・ライダー、デボラ・ハリー、デニス・ホッパー、マルティナ・トップリー・バードら豪華な客演陣が参加した。

4人のキャラクター設定という遊び

Gorillazの4人のメンバーには、それぞれ緻密なキャラクター設定が与えられている。
ベースのマードック・ニコルズは「偉大なる指導者」を自称する、どこか悪魔的な雰囲気を纏った、グループの頭脳的存在。
ボーカル・キーボードの2-Dは「選ばれし者」という肩書きを持ちながら、愛らしくもどこかぼんやりとした人物として描かれる。
ドラムのラッセル・ホッブスは「真実の探求者」とされ、”ファンキー・ファントム”に取り憑かれることでゾンビのようなラップを披露するという、独特の設定を持つ。
そしてギターのヌードルは「学者」の肩書きを持つ。
こうした緻密な虚構の積み重ねが、Gorillazという架空のバンドにリアリティを与えてきた。

『Plastic Beach』が描いた、ごみの島

2010年発表の3rdアルバム『Plastic Beach』は、環境問題や使い捨て文化、そして”本物であること”というテーマを、独特の世界観で描いた作品だ。
収録曲にはソウルの重鎮ボビー・ウーマックや、Little Dragonのボーカルであるユキミ・ナガノがゲストとして参加している。
シングル「On Melancholy Hill」(2010年6月12日発売)はイギリスでプラチナ認定を受け、以降のほぼすべてのGorillazのコンサートで演奏され続けている定番曲となった。
2019年にはゲーム『Life Is Strange 2』に、2024年にはイギリスのスーパーマーケットチェーン、テスコのクリスマス広告にも起用されている。

不仲、そして和解

2011年発表のベスト盤『The Singles Collection 2001–2011』の後、2012年発表のシングル「DoYaThing」を最後に、アルバーンとヒューレットの不仲が報じられ、Gorillazは複数年にわたる活動休止に入る。
この間、アルバーンはソロデビュー作『Everyday Robots』(2014年)を発表しBlurとしてのツアーも行い、ヒューレットは映像作品に取り組んでいた。
2014年末、2人は和解し、Gorillazとしての活動再開を決意する。

『Song Machine』という実験、そして『Cracker Island』

2017年『Humanz』、2018年『The Now Now』を経て、2020年には音楽ウェブシリーズ「Song Machine」という新たな試みを始動させる。
毎回異なるゲストを迎えた単発シングルとミュージックビデオをエピソード形式で公開するこのプロジェクトは、7thアルバム『Song Machine, Season One: Strange Timez』(2020年)へと結実した。
収録曲「The Valley of the Pagans」ではBeckをフィーチャーしている。

2021年には短いEP『Meanwhile』を発表した後、バッド・バニーとのコラボレーション曲「Tormenta」のレコーディングを経て、アルバーンは「Song Machine」構想を離れ、8thアルバム『Cracker Island』(2023年2月24日発表)の制作に注力する。
グレッグ・カースティン、レミ・カバカJr.との共同プロデュースによるこの作品には、サンダーキャット、スティーヴィー・ニックス、テーム・インパラ、Beck、バッド・バニーら、これまで以上に豪華な客演陣が集結。
グラミー賞の最優秀オルタナティブ・アルバム賞にもノミネートされている。

今もなお最も成功した架空のバンド

『Humanz』は全英・全米ともに2位を記録し65万枚を売り上げ、『The Now Now』も全英5位・全米4位、33万枚を売り上げるヒットとなった。
架空のキャラクターでありながら、実在のバンドと並ぶ規模の成功を収めてきたGorillazは、「最も成功した架空のバンド」としてギネス世界記録にも認定されている。
テレビの前でこぼした一言から生まれたバンドは、今や音楽シーンに確かな足跡を残す存在になった。

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